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塗装における「ケレン」のすべて

外壁塗装・屋根塗装のいろは 2023.12.10 (Sun) 更新

こんにちは😊

屋根や外壁の塗装を頼んだ際に、「ケレン」という用語を見かけたことはありますか?

今回は「ケレン」に焦点を当て、その意味や背景について皆様に少しでもお伝えできればと思います。

「ケレン」ってどんな作業?

「ケレン」とは、『鉄や木の表面についた古い塗料の塗膜やサビ、汚れを取り除く作業』です。

塗装する表面を綺麗にすることで、塗料がしっかりと密着しやすくなります。

特に、鉄部の表面を綺麗にする作業を「ケレン」と呼ぶことが一般的で、時には塗料の密着性を高めるためにわざと表面に傷をつけることもあります。この故意に傷をつける作業は「目粗し」とも呼ばれています。

トタン屋根や雨樋の塗装は、錆が発生しやすく、塗膜が剥がれたりしやすいものです。
そのため、塗料を塗布する前に表面を綺麗にすることで、より耐久性の高い塗装を実現することが重要です。

 

「ケレン」の目的は?

①塗装する面を整える

塗料を塗る前に、対象となる塗装面をしっかりと整えることが大切です。

建物を錆や汚れ、紫外線などの損傷から守り、建物の寿命を延ばすためためには、塗装面に塗料がしっかりと密着することが欠かせません。

カサブタができた傷に薬を塗るのと、カサブタがない傷に薬を塗るのとでは薬の効能が効きにくいのと同じで、錆や古い塗料の塗膜などの異物が残ったまま塗装を行っても、どんなに優れた塗料を使用しても、効果が発揮されません。

特に鉄部のケレン作業は、さびの進行を止めるためにも付着物の除去が大切です。

ケレン作業を行わずに、サビや古い塗料の塗膜などが残ったまま塗装をすると、塗料の密着性や付着性が損なわれてしまいます。

塗料を塗る前に、不要物をできるだけ取り除き、塗装面を整えることで、塗料と塗装面がしっかりと密着しやすくなります

これが、塗装の持続性と効果を向上させる重要な作業=ケレンなのです。

 

②密着性を高める

冒頭で「目粗し」と呼ばれる作業も紹介しましたが、この作業では、塗装面に微細な凹凸を作り出すことで、塗料がしっかりと入り込んで密着する効果があります。これを「アンカー効果」と呼びます。

ツルツルした表面に油性ペンで文字を書いた場合、こすれば落ちてしまいますが、みかんのように凸凹している表面に文字を書くと凹んだ部分についているのを落とすのは大変です。

この効果を利用して、塗装面と塗料の密着性を高め、塗料の寿命を長持ちさせようというのが目的です。

塗料の密着性が上がるほど、塗装の耐久性が向上しますので、ケレン作業が重要となります。

もし、錆がない場合でもケレンの工程が導入される場合は、目粗しの効果を追求するためと考えられます。

 

「ケレン」の必要性

ケレンは、塗装前のするとても重要な工程で、塗装表面からサビや不純物を取り除く作業です。

この工程が塗装の仕上がりや効果、耐用年数に大きな影響を与えることが明らかになっています。

[表]各種の要因が塗膜寿命に及ぼす影響

要因 影響度
素地調整(1種、2種の差) 49.5%
塗り回数(1回塗りと2回塗りの差) 19.1%
塗料の種類(塗料系の違いなど) 4.9%
その他(塗装技術、気候など) 26.5%

出展:関西鋼構造物塗装研究会 編『塗る : やさしい塗装のはなし』

関西鋼構造物塗装研究会が出版している本によると、ケレン作業が塗膜の寿命を約50%も左右するといわれています。

何度重ね塗りしようが、どれだけ優れた塗料を使おうがケレン作業が一番影響するということがわかりますね。

適切にケレンを行うと、塗料と対象物がしっかりと密着し、仕上がりがツヤのある美しいものになります。

また、ケレンによって金属表面が綺麗になると、塗料の防錆・防食効果が向上し、塗装の寿命が延びます。耐用年数の向上は、メンテナンスコストの削減にも関係してきます。

 

「ケレン」の種類

素地調整(下地処理)の作業は、大まかに言って、1から4までの4つのタイプに分かれます。この作業では、さびの広がりや旧塗膜の状態などを考慮し、具体的な作業内容や方法を選択します。

簡単に言えば、1種と2種のタイプでは、さびや古い塗膜の取り除く範囲が広いため、作業の難易度や再発錆のリスクが高まります。

[表]塗り替え塗装の素地調整程度

素材
調整程度 

さび面積

塗膜異常
面積

作業内容 作業方法

1種

さび、旧塗膜を全て除去し鋼材面を露出させる。 ブラスト法
2種 30%以上 旧塗膜、さびを除去し鋼材面を露出させる。ただし、さび面積30%以下で旧塗膜がB、b塗装系の場合はジンクリッチプライマーやジンクリッチペイントを残し、ほかの旧塗膜を全面除去する。 ディスクサンダー、ワイヤホイルなどの動力工具と手工具との併用
3種A   15~30% 30%以上 活膜は残すが、それ以外の不良部(さび、割れ、膨れ)は除去する。 同上
3種B 5~15% 15~30% 同上 同上
3種C 5%以下 5~15% 同上 同上
4種  5%以下 粉化物、汚れなどを除去する。 同上

出展:(公社)日本道路協会『鋼道路橋防食便覧 平成26年3月』p.Ⅱ-138

一般的なご家庭のケレン作業は4種で、紙ヤスリや研磨スポンジを使用して、塗装表面を軽く処理します。

これは、塗装面に錆部分が少ない場合や、全体的にダメージが少ない場合に適用されます。

また、この4種ケレンには、塗料の密着性を向上させるための目粗し作業も含まれています。

まとめ

ケレン作業によって、塗料の密着性が向上します。そのため、下塗りを始める前に、正確にケレン作業を完了させる必要があります。この作業は、塗装の耐久性を確保する上で非常に重要なステップとなります。

外壁や屋根に付着した汚れを高圧洗浄機で洗い流した後に、細かい部分まで丁寧にケレン作業をします。これにより、より美しい表面に塗料を塗ることができ、仕上がりの美しさと耐久性が全く違ってきます。

ケレン作業の有無は、塗膜の寿命に大きな影響を与えるため、他社の見積もりに「ケレン」が記載されていない場合などがあれば、ぜひ一度弊社にご相談ください。

塗り替え太郎によるケレン作業のいろいろ

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